「笑顔を取りもどす。」糸賀良徳法律事務所

HOME > 糸賀良徳の活動 > DV・ストーカー対策室

糸賀良徳の活動

DV・ストーカー対策室

Q1.DV(ドメスティックバイオレンス)が増えているような気がしますが。
A1.統計上、増えているかどうかは、統計の取り方によるので、私は、何とも言えないと考えています。ただ、社会的に目立つ出来事になったことは確かでしょう。それは、例えば夫(父親)が暴力を振るう場合を考えれば、家族内における夫(父親)の役割に対する要求水準が高くなったことが一因ことによるものと言えると思います。すなわち、日本が貧しかった時代においては、夫(父親)の役割は、まず、家族に三度三度の食事を摂ることができ、生活する場所を確保するといった水準に留まっていました。このことが夫(父親)の家族内における優先順位が一番高い役割であったため、それ以外の暴言や暴力が目立たなかったということが言え、社会的に目を引きにくかったということが言えると思います。
Q2.ストーカー事件の増加傾向についてはどうでしょうか。
A2.これも統計の取り方によると思うので、私は増加しているか否かをあまり考えても仕方が無いと思います。ただ、通信機器の発達(スマホや携帯電話)などによって、ストーキング被害の深度が深まったということが言えると思います。
Q3.DVとストーカー被害の共通点は何ですか。
A3.被害者にとって生活の平穏が妨害されるということがあります。そしてまた心理的圧迫を加えられることにより、ときには、心身に変調を来たすこともあります。他方、加害者の側にとっては、それは自分自身のなかに湧き起こってくる怒りや嫉妬などのネガティブな感情を処理することができていないということです。
Q4.DV被害を第三者に相談したり、第三者に介入してもらう必要性はどこにありますか。
A4.DVの被害に遭っている方は、加害者と共依存のという特殊な心理状態に陥っていることが多いです。それは平たく言ってしまえば、夫が振るう暴力は私を愛しているが故なのでという心理状態。そして妻が暴力を受けることによって、夫に愛を感じているという奇妙な心理状態に陥ってしなうこと。この共依存からという心理状態から離れるためには第三者の介入が必要です。
Q5.ストーカー被害において第三者に相談したり介入してもらう必要性はどこにありますか。
A5.ストーカー被害に遭いますと、家庭生活や職場での平穏を脅かされます。ストーカーと言いますと加害者が男性の場合を思い浮かべると思いますが、女性によるストーカーも多いです。加害者が男性の場合は、その被害は家庭生活にも及びます。女性がストーカーの場合は被害者である男性の職場の平穏を害することが目立ちます。この被害を防ぐためには第三者による介入が必要です。
Q6.警察に被害を相談すれば被害は止むでしょうか。
A6.警察は、身体の危険が差し迫っている状態のときは、もちろん頼りになりますし、また頼らなければなりません。しかし、全てのDVおよびストーカー行為を有効に取り締まってくれるとは限りません。なぜなら、警察の職務執行はDV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)、ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)といった根拠法令に基づくものであります。従って、全てのストーカー被害に有効に対処できるとは限らないからです。また、DVおよびストーカー行為の被害者は、ひとつの固定したものの見方に捉われていることが多いので、そのものの見方とは別の見方があることを、第三者から助言を得ることは、その方の幸せを回復するために大変有意義だと思います。
Q7.第三者として弁護士に介入してもらったときの利点を教えてください。
A7.第一に、法律を駆使して被害者を守るための措置をとることができる。第二に、被害者の代理人となったことにより、加害者の被害者に対する交渉や働きかけを遮断することができる。第三に、警察に相談しても様々な理由から事件化してもらえない事案についても取り組むことができるという点です。
Q8.DVおよびストーカー行為への対応において、重要な基本方針は何でしょうか。
A8.危険度に応じた適切な対応をするということです。危険度とは行動レベルで言えば、@マナー違反のレベルA民事的な不法行為のレベルB刑事事件として扱うべきレベルの分類することが可能です。そして危険度の判定においては、加害者の審理の危険度を判定することが重要です。その危険度は電話やメールの文言からある程度推測することが可能です。例えば、ストーカー行為ですと「やり直したい」などという文言が用いられているレベルがあり、更に、危険性が進むと内容が切迫したメールや待ち伏せ行為などが発生し、更にそれ以上に危険な心理になりますと脅迫メールや住居侵入が行なわれたりします。この危険の度合いを適切に判定しないと時には悲劇的な事態を招くことさえあります。
Q9.被害者を守るために取り得る法的措置の種類と内容を教えてください。
A9.自宅や職場に押しかけるなという内容を命ずる業務妨害禁止仮処分、電話をかけるなということを命ずる架電禁止の仮処分、迷惑メールや手紙を送るなという事を命ずる不作為の仮処分などが考えられます。ここで仮処分と申しましたのは通常の裁判手続きでは被害が発生してしまうことが明白な場合に簡易迅速な手続で裁判所が上記のような命令を発することができる手続きを言います。一旦、かような裁判所より発せられますとその命令に対する違反は違法性が強いという事になり、警察による取り締まりがされ易くなります。
Q10.DVおよびストーカー被害から回復できたとすると、どのような人生が開けるでしょうか。
第一に、それまで捉われていたものの見方と別のものの見方を得ることができるようになると思います。第二に、自分の内面を見つめ、自分で自分の感情を取り扱うことができるようになると思います。どんなにつらいことを他人から行なわれたとしても、自分の感情を他人のせいにしてしまうことは主体的な人生の取り組み方とは言えません。言うは易く行なうは難しですが、自分で自分の感情を取り扱う(処理する)ことができるようになったら、このような辛い出来事も、人生の中の大変大きなレッスンだったと言えるようになるかもしれません。
ページトップ